ジャックダニエル 2018 7 21
貿易というものは、
本来、「相互主義」でなければ成り立ちません。
たとえば、日本がアメリカに100万円相当の輸出をしたら、
日本はアメリカから100万円相当の輸入をしなければ、
貿易というものは、長期的に成り立ちません。
日本がアメリカに対して、
一方的に輸出だけをして輸入をしないのは、
長期的な貿易としては成り立ちません。
しかしながら、第二次世界大戦後、
長らく、このような「不自然な貿易」が続いていたのです。
これは、政治的な理由があって、
米ソ冷戦時代において、日本は、
共産主義に対する防波堤の役割を果たしていたのです。
そのため、日本を経済的に強化するために、
1ドル360円という「不自然な為替レート」が、
長期間に渡って続いていたのです。
このような貿易は、
冷戦終了とともに終わったと考えるべきでしょう。
さて、アメリカは、中国に対しても、
「不自然な貿易」を続けていましたが、
これは、「中国が豊かになれば、
やがて中国は民主化される」と考えるアメリカ人が、
圧倒的に多かったからです。
要するに「政治的な配慮」があったからです。
しかしながら、中国が民主化される見込みがなくなった以上、
アメリカは、中国に対して、厳しい姿勢で臨むでしょう。
思い起こせば、中国においては、
胡錦濤時代において、温家宝首相が、
よく民主化の必要性を語っていましたが、
これは、アメリカに対する政治的配慮だったと思います。
ところで、私は、
「ジャックダニエル」という「テネシー・ウイスキー」が好きですが、
価格が数千円のジャックダニエルを輸入しても、
日本企業が数百万円の自動車を輸出すれば、
「貿易不均衡」は、非常に大きなものになります。
しかしながら、トランプ大統領は、
日本に対しては、あまり「貿易不均衡」を主張していません。
それは、トランプ大統領が好きな「F-35戦闘爆撃機」を日本が多数買うからです。
世界には、同盟国なのに「F-35」を買わない国があるかもしれません。
そういう国には、トランプ大統領は、厳しく対応するでしょう。
アメリカにおいて、戦闘機を作っているメーカーは、
非常に「政治力」がありますので、要注意です。
「損して得取れ」
確かに、軍事予算から考えれば「損」をするかもしれませんが、
日本経済という大きな視点から考えれば「得」です。